今日のひとこと

オンライン診療情報について(勉強録)

2020年4月13日に発表された初診でのオンライン診療。

個人的にすごくファンの長野県の「ほっちのロッヂ」では、保険診療での電話相談が始まったと聞いて、「自分の活動エリアの病院はどうなってるかな?」と疑問がわいた。

発表資料含め、改めてちょっと調べてみました。勉強録として。
情報源は、厚労省の会見のもととなった「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」(事務連絡)。*注の””内は文書からの抜粋。()内は個人的見解と感想。

できること(前提条件、範囲)

できる限り患者さんの基礎疾患の情報を把握・確認したうえで、当該医療機関の医師が診断や処方が可能と判断すれば、初診から電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方ができる。 *1

(「情報通信機器」というのはオンラインの手段インターネットだけでなくメール、FAX、等「情報の回線」を経由するものいろいろ含むとの理解。電話は「電話」と書いてありました。)

注意事項

・オンライン診療での診察や処方が困難と判断されると、”対面での診療への移行やほかの診療可能な医療機関を紹介する対応“もありうる。

・オンラインでの診療が2度目以降でだと、予測できる病状の変化に対しての新規の処もできるみたい。*2

処方の制限

・処方できない薬:麻薬及び、向精神薬、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤など特に安全管理が必要な医薬品 *3
・日数:患者の基礎疾患の情報が把握できない場合は上限7日間 *4

(処方制限のある薬:抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤をみると、感染リスクの高い患者さんが病院に行かなくてはいけないシステムのまま。ちょっと不安すぎやしないか…。もちろん、調整が微妙で十分注視しなければいけない薬ということは理解しているけども。非常にモヤモヤする。)

受診する側の本人確認

オンラインだと、問診と視診に情報が限定されるので、本人確認は十分に行うように書かれている(特に初診の場合)。方法は事前のファックスもしくはe-mailなど。

(このふんわりとした表記だと、事前の予約の方法は、医療機関によって細かい予約・確認手順が変わるだろうな)

処方せんはどうなるの

患者が、薬局において電話や情報通信機器による情報の提供及び指導(以下「服薬指導等」という。)を希望する場合に、薬局へ医療機関からFAX→薬局から書留郵便等で受けわたし *5 *6
患者と相談の上、となっているので指定されているわけではない)

(これが、会見で話されてた「お薬配送」のところか。処方されたお薬の内容、のみかた、注意事項など普段薬剤師さんが基本の対応としてする説明が服薬指導等に該当するという理解。)

川崎市内の大規模病院の対応

ぜんぜん網羅はできてませんが、2020.4.14時点の情報。
(あれ、予想以上に無い…。これから扱いが増えることを期待します。)

関東労災病院
対象となる方:慢性疾患等で当院を定期的に受診されており、継続的な処方が必要な患者さん
対応内容:電話診療による処方箋の発行
リーフレットもでてます。
url: https://www.kantoh.johas.go.jp/tabid/719/Default.aspx

川崎市立多摩病院
対象となる方:多摩病院の患者さんで担当医師が電話処方可能と判断した場合
対応内容:電話による処方せん発行
url: http://marianna-tama.jp/covid-19-3/

虎ノ門病院分院
これは「健康相談」になりますね。
対象となる方:循環器疾患の悩みがある人 (患者以外、匿名も可)
対応内容:メール相談 (内科・外科どちらでも可)
url: https://req.qubo.jp/toranomon/form/ibYhyUmq

聖マリアンナ医科大学東横病院
オンライン診療とはちょっとちがうけど。
予約患者さんの家族または代理人が、診察券および医療証(保険証)を持参して受診した場合に、医師が対面診察の上で処方せん発行
url: http://marianna-toyoko.jp/post-7219/

以下の病院は、ホームページでの公式発表情報見当たらず
日本医科大学 武蔵小杉病院 川崎市立井田病院帝京大学医学部附属溝口病院川崎市立川崎病院幸病院

(新聞によると、公的保険でオンライン診療に対応している医療機関は厚生労働省の調査で2018年7月時点で1千カ所程度と、全体の1%未満らしい。診療フォローアップ以外で、医師の診断が必要ではないと判断されたケースは、「診療」ではなく「健康相談」になり、診療報酬の算定はない。慢性疾患のフォローアップに、オンライン診療やテレナーシング(テレビ電話等で看護師が患者さんと話す)が有効という論文は数年前から見るけど。この間にフォローアップを含むオンライン体制を整備する医療機関が増えたか?にもよるかな…。増えてほしいな。)

引用資料

厚生労働省
・「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」(事務連絡)
url (PDF): https://www.mhlw.go.jp/content/000620995.pdf

参考資料

厚生労働省
・「新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について」
url: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/rinsyo/index_00014.html
対応医療機関リストは準備中。

・「オンライン診療の適切な実施に関する指針」
url: https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000201789.pdf
平成30年3月のもの。今回のコロナ感染拡大に伴う措置とは別に、継続的なオンライン診療の在り方を検討したもの。

・日本経済新聞
「公的保険で対応、医療機関わずか オンライン初診解禁」
url: https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58013150U0A410C2TJ2000/

・東京新聞
「<新型コロナ>初診オンライン、来週から 処方薬、配送で受け取り」
url: https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/CK2020041102000180.htm

注*

*1 患者から電話等により診療等の求めを受けた場合において、診療等の求めを受けた医療機関の医師は、当該医師が電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方が当該医師の責任の下で医学的に可能であると判断した範囲において、初診から電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方をして差し支えないこと。ただし、麻薬及び向精神薬の処方をしてはならないこと。
診療の際、できる限り、過去の診療録、診療情報提供書、地域医療情報連携ネットワーク(※)又は健康診断の結果等(以下「診療録等」という。)により当該患者の基礎疾患の情報を把握・確認した上で、診断や処方を行うこと

備考:差支えない、というのは推奨ではなく臨時かつ緊急的対応として一時的に認めているだけ、という強調だろう。”感染が収束して本事務連絡が廃止された後に診療を継続する場合は、直接の対面診療を行うこと”という文言も何度も出てくる。

*2 “当該患者の当該疾患により発症が容易に予測される症状の変化に対して、これまで処方されていない医薬品の処方をしても差し支えない” (p.3)

*3 “麻薬及び向精神薬に加え、特に安全管理が必要な医薬品(いわゆる「ハイリスク薬」)として、診療報酬における薬剤管理指導料の「1」の対象となる薬剤(抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤等)は処方してはならない” (p.2)
*4 “診療録等により当該患者の基礎疾患の情報が把握できない場合は、処方日数は7日間を上限とする” (p.2)

*5 “調剤した薬剤は、患者と相談の上、当該薬剤の品質の保持(温度管理を含む。)や、確実な授与等がなされる方法(書留郵便等)で患者へ渡すこと。薬局は、薬剤の発送後、当該薬剤が確実に患者に授与されたことを電話等により確認する” (p.4)
*6 “薬剤師が、患者、服薬状況等に関する情報を得た上で、電話や情報通信機器を用いて服薬指導等を適切に行うことが可能と判断した場合には、当該電話や情報通信機器を用いた服薬指導等を行って差し支えない” (p.5)