コミュニティナース

看護自由思考

すこし前の話になるが、私の所属する法人の代表・西と、マギーズ東京(以下、マギーズ)共同代表の秋山正子さんの対談があった。私は参加しないものの、その場で対談を聞ける機会をいただけた。

その中で感じたことの中のひとつ。

「その環境の中にいる自分に気づくこと」の大切さ。

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マギーズでは、自分の言葉に対して相手の反応があり、それが次につながっていくいう、両者の対話をとても大切にしている。
そして、また、相談後のスタッフのリフレクション(振り返り)も重視している。
病院では言うことが難しい言葉や態度が、マギーズだとできると話した看護師がいるそう。

病院ではできない態度が、マギーズではできる。
環境の力を得て、患者だけでなく、看護師もまた自律的に変わることができる。

印象に残った。
たしかに、豊洲のマギーズの魅力の一つは場所がもつ力。
床材や椅子、大きい窓、吹き抜ける風…その構造ひとつひとつが熟慮され設計されている。

環境が人の意識に作用するところはとても大きい。

空気や水のよいところで湯治など、環境を変えての療養は古くから一般的な方法として知られているし、人は不調な時ほど、自分を取り囲む環境・空気や雰囲気、家具や調度品の色でさえ敏感に感じ取る能力がある。
また、逆もしかり。環境によって、そこあるものを素直に受け取れたり、その人が持つ力がより発揮されやすくなることだって、ある。

頭で考えるよりも早く起きる反応(無意識な行動や気持ちの変化)が作用しているだろうこの部分は、自分自身ですら、全てを言語化するのは難しい。

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来た人に力を与えられる場や環境・空気をつくるのが可能なことは、すでに活躍している先輩たちの実績で証明されている。
では、迎える側(つまり看護師である自分)はどうしているのか??

自分はどこでどんな気持ちでいられるのか?
力を感じられる場所ではどんな活動しているのか?
どんな表情をしているのか?
たとえば病院で働いていたら、まいにちどんな気持ち?
どんな顔をしている?病院以外の場所ではどう?

私がもう一つ従事しているコミュニティナースという働き。その講座でも、自分を知る作業が重視される。
自分自身の理由、また関わる相手(社会も含む)の中で自分の行動が相手にどんな影響(気持ち、行動)を与えているか?
(意表を突く方法で突き詰めていく独特の明るい雰囲気や、グループでのフィードバックなど、自分1人ではできない経験・気づきの多い時間だった)

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徹底的に掘り下げて客観的にみつめていく作業。
ここにいるとどういう気持ちになる?それはなぜ?そもそもここはどういう場所だっけ?療養ってなに?…といった徹底したなぜなに?問答。(「善/悪の2択に偏らない・評価しない」という方位磁針を持ち続けていないと、自分を責める結果になり得るので注意が必要)

情報も、要するエネルギーもたくさんですから、しない方が楽かも
…でも、そこで発見したものは次へつながる原石かも。

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自分を知ろう、と言うと、「自分のことばっかり!」と思うかもしれないけれど(私もそうだったので)。実は、対する相手へ関心が向きやすくなる。無意識にどこか他者と同化していた部分がわかり、違いがはっきり認識できるから。

もちろん、すべてを言語化する必要があるかと言われると、そうでもない。

確かなのは、暮らしの保健室に来る人自身が言語化によって気づく・意識が変わる瞬間が、少なからずある、ということ。
そして、そうした関りの中で改めてハッとする自分の価値観とその偏り方。。

環境の中での自分の心の向きを知ることで、対する相手と起きている循環に気づくことができる。
それは、自分や相手がどこを向いていたいのか知るきっかけにもなり得る。

1人でできなければいけないという質のものでもないではないことも、確かなこと。